ワイルドライフ・プロミシングは、アフリカの「野生動物保全」と「人々の生活」について考え、その共生を目指す認定NPO法人です。
2006年より、東アフリカのケニアで野生動物と人々の関わりについて、調査研究に着手し、2009年からはナイロビに棲む野生のヒョウに着目し、保全生態学的側面から研究を続けてきました。この調査の結果をもとに、どうやったら人と野生動物が共生していけるのかということを考え、現地と密接なかかわりを持ちながら実践的に活動していく目的があります。
アフリカの「野生動物保全」という言葉を聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?「ゾウやライオン、その他多くの野生動物の個体数が減少して絶滅の危機にさらされていること」「森林が伐採されて野生動物の棲む場所がなくなっていること」「密猟で、象牙のためにたくさんのゾウが殺されていること」などなど、いろいろあると思います。そして、実はあまり知られていないことですが、アフリカでは野生動物が棲んでいる場所に「人」も生活しているということです。例えば、子供が通学するときに、道でゾウやライオンに出会うことがあります。自分が飼っているイヌが、ハイエナやヒョウに襲われて、食べられてしまうことがあります。時には、人が被害に遭ってしまうこともあります。野生動物に生活が脅かされてしまう状況におかれている人々にとっては、なぜ、自分たちを苦しめる野生動物を護らなければいけないのか?と疑問に思っている人もいるのです。これは特別な地域だけの話ではなく、ケニアの首都ナイロビでも日常的に起こっていることです。
わたしたち、ワイルドライフ・プロミシングは、地域に住む人々とともに「野生動物保全」を進めていきたいと考えています。なぜなら、地域に住む人々の協力と理解なくして、「野生動物保全」は成功しないと考えるからです。今まで実施してきた、調査・研究の結果から、どんな問題があって、どういうことを解決していかなければいけないのかということが明らかになってきました。わたしたちは、学術的研究に基づいた社会活動、保全活動を実施し、その活動を評価することで、「野生動物と人」の、よりよい生活環境を目指し続ける団体です。
希少野生生物たちの明るい未来を信じて、
アフリカの野生動物と人々が共に豊かに暮らす地球を目指して活動します。
特定非営利活動法人ワイルドライフ・プロミシング
理事長 大久保弘道
子供のころから動物が好きで、特にアフリカの動物にあこがれを持っていました。ずっとケニアに行ってみたいと思っていました。15歳の時、ケニアに行くチャンスに恵まれました。
大学を卒業し、企業に就職しましたが、心の深いところでアフリカへの夢が捨てきれず、2004年よりタンザニアのキリマンジャロ山中腹にある野生動物管理について学ぶCollage of Wildlife Management, Mwekaに2年間留学しました。その時に野生動物についてはもちろん、野生動物と生活の場を共有している人たちの生活が、とても大変であることを目の当たりにしました。そして、もっと深く野生動物と人々の生活について勉強し、生活の場を改善する活動をしていきたいと考えるようになりました。
2006年より京都大学大学院に入学、アフリカのケニアで、野生動物と人々の関係について研究しています。とくに、「ナイロビにある動物孤児院が野生動物保全にどのような役割を果たしているか」、「ケニアの首都ナイロビにおける野生のヒョウと人々の生活」というテーマについて研究を進めてきました。ケニア人と結婚し、主にナイロビに滞在しています。
これからもケニアを拠点とし、ヒョウをはじめとした野生動物と人々がどうやったらよりより未来を共に築いていけるかを考えて、調査・研究および社会活動を進めていきます。 ケニアにおける「野生動物と人々に関わる活動」を活発化させる目的で、仲間と共にNPO法人ワイルドライフ・プロミシングを立ち上げに至りました。
人間とヒョウは、もっと仲良くなれる。
「ヒョウ」って知ってる?
「ヒョウ」っていなくなってもいい?
アフリカのケニアで、
「ヒョウ」も「人間」も困っています。